映像制作ユニット しどろもどリ初の長編映画作品。
くるしいこともあるけれど、世界に目一杯わくわくしていたい。
私たちの等身大の思いを描き出します。

物語

とある喫茶店に届いた忘れ物。エアコンのリモコンに、ヘアカラー用ブラシ、ミョウガの食品サンプル、スパナ がくっついたこれは一体、誰が何のために……?


波立つ喫茶店を傍らに、そこでアルバイトをしている安藤杏は今日も黒板にランチメニューを書く。

そんな出来事を知りもしない会社員の忍静江はラーメンとチャーハンでお腹いっぱいになりすぎ、

もみほぐし師の星野源希はテレビゲームで負け続け、

大学生の武部凪は恋人の口に目玉焼きを放り込んでいる。

キャスト・スタッフ

監督

福岡佐和子・はまださつき

(しどろもどリ)

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脚本・編集

福岡佐和子

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出演

安藤杏:はまださつき

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忍静江:高田歩

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星野源希:原恭士郎

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武部凪:成瀬志帆

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新井ほまれ:宮崎澪香

藤明良:兼高哲

長谷川茉央:原知也

後藤樹:杉本惠祐

三浦瑛夏 山口マシュー 冨田智 野津芽生 粒二 藤本ほのか 一歩

上山史華 荻下英樹 大山あきら みやたに 葛原幸乃 酒井絵麻 岡田直樹 橋本珠里

スタッフ

撮影:中村元彦

録音:WUPIANXIAN

制作・題字:はまださつき

美術:松本千広

記録:山口マシュー・中村侑寛

撮影助手:菊池史華

録音助手:伊藤龍弥

主題歌

「台所のうた」

作詞・作曲・歌:工藤祐次郎

(おぞうにレコーズ)

工藤祐次郎

1987年生まれ宮崎県出身、阿佐ヶ谷在住

風景、ユーモア、さみしさを心に、メインストリートの脇道をのびのびと歩いてゆける音楽を作る。

たった1人のインディーレーベル、おぞうにレコーズの番頭。

アコースティックギターによる弾き語りをベースとしながらも、シンセサイザーや空間系エフェクターなども駆使し、朴訥とした佇まいから土臭さと浮遊感の混ざった立体的なサウンドを生み出している。

メッセージ

〇共同監督/プロデューサー はまださつき〇

高校生のとき、テレビか何かで音楽のサブスクの広告をやっていて、「5000 万曲を収録!」という文句がありました。ふと 5000 万曲って全部聞くのにどれくらいかかるのかなと思って計算してみたら、一曲3分として1億 5000 万分。対して、人間が 80 年生きるとしたらその分数は 4200 万分ほど。 ……全然聞ききれないじゃん……!! 手軽に聞けるはずの音楽も、一生ですべて体験することはできないのです。世界の大きさにはじめて驚愕した日でした。

人生は世界のいろんなことを体験するには短すぎるし、わたしの人生は人に教えてあげるには長すぎます。なのでわたしたちは、相手とわたしが共有している短い時間のなかで、お互いの人生を体験しないといけません。バイト先でたった 60 分話すだけのひとにも、わたしと同じように 4200 万分の時間があって、わたしはたった 60 分からその人の 4200 万分を想像するのです。

映画というのは、そういう作業なのだと思います。

映画で1分しか登場しない人でも、その1分からその人の人生が感じられたらなんてすてきでしょうか。映画のなかで人が存在するというのは本当に尊いことですよね。そしてそれは、作る側のわたしたちの存在を感じさせてはいけないということではなくて、作り手が生み出しているパワーと、登場人物たちが生み出しているパワーは、映画の中に両立できるものだし、するべきものだなと思います。映画の登場人物たちの人生に、さらにわたしたちはわたしたちの人生を上乗せします。

この話は、人がいるということを伝えるお話です。お話ってほとんど人のことですもんね。天気や動物や神様や偶然は世界にたくさんの影響を与えてくれますが、世界を動かしているのは人だけだよなあと最近よく思います。人が生きているというだけで自然に関係性も感情も生まれていって、いつの間にか時間と空間が動いている。ああ、尊い!

誰一人欠かさず、登場人物たちみんながちゃんと存在している映画にしたいと思っています。

〇共同監督/脚本 福岡佐和子〇

私は高校時代に近所のローソンでアルバイトをしていたのですが、そのとき全く知らない人生を過ごしている人と、コンビニのレジを通して一瞬私の人生が交わっていることにとんでもなく感動したことを記憶しています。

 私は今、私とこれまで出会ってくれたひと以上に、まだ知らない人がたくさんいるということ、そしていつでもその人たちと出会うチャンスがあるということに、とてもわくわくしています。そしてわくわくし続けたい。私は今年で学生を終え、社会の人になってしまうわけなのですが、どう生きていくとしても、この気持ちをどうにもこうにも大切にしたいな と思いながらシナリオを書きました。

 同時に、私はこれまで 世界にあるものは全部捉え方次第だ! と強く思ってきたのですが、もちろんそれはそうだと思うけれど、思っていたよりもどうしようもなく辛くなってしまう瞬間ってあるよな…とこの頃大きく感じています。きっと私の知っている人も知らない人も、みんなそれぞれにそれぞれの辛さを持ちながら、それを出したり出さなかったりしつつ過ごしているのだろうなと。なんかそれって本当に愛おしいなと。

 どこかで生きているであろう杏や静江や星野や凪たちと、いつかどこかで鍋でもしたいなあと思ってもらえるような映画にしたいと思っています。私も、これからたくさんの登場人物と密に出会っていけることが楽しみで仕方ありません!

しどろもどリとは

日本大学芸術学部 演劇学科のはまださつきと 映画学科の福岡佐和子のふたりがつくった創作ユニット。

2018年12月13日木曜日にろう下にて結成。

素敵だと思うことを素敵だと言いたい!愛しい瞬間を捕まえたい!と、

なんでも創作せんとする 日常系しりめつれつな2人組です。